台湾ドラマ『模仿犯』(原題『模仿犯』、英語タイトル”Copycat Killer”)は、ミステリーの女王・宮部みゆきの人気ミステリー小説『模倣犯』をベースにした台湾ドラマ。2023年3月31日からNetflixでグローバル配信開始。
90年代の台湾を舞台に、連続殺人事件を引き起こす愉快犯と、その犯人を追う検事の対峙や、事件を報道するテレビ局関係者のメディア倫理などを描く一作。吳慷仁(ウー・カンレン)、柯佳嬿(アリス・クー)、林心如(ルビー・リン)ら豪華キャストが出演することで、台湾では昨年から注目されています。
- 1 台北MRTの『模仿犯』広告
- 2 『模仿犯』のあらすじ
- 3 『模仿犯』の登場人物 / キャスト
- 3.1 郭曉其(グォ・シャオチ)/ 演:吳慷仁(ウー・カンレン)
- 3.2 胡允慧(フー・ユンフィ)/ 演:柯佳嬿(アリス・クー)
- 3.3 姚雅慈(ヤオ・ヤーツー)/ 演:林心如(ルビー・リン)
- 3.4 林尚勇(リン・シャンヨン)/ 演:庹宗華(トゥオ・ツォンホァ)
- 3.5 陳和平(チェン・ホーピン)/ 演:姚淳耀(ジャック・ヤオ)
- 3.6 路妍真(ルー・イェンジェン)/ 演:江宜蓉(キャミー・チャン)
- 3.7 胡建和(フー・ジェンホー)/ 演:夏騰宏(シア・トンハン)
- 3.8 沈嘉文(シェン・ジアウェン)/ 演:范少勳(フェンディ・ファン)
- 3.9 張大超(ジャン・ダチャオ)/ 演:侯彥西(ホウ・イェンシー)
- 4 『模仿犯』のみどころ
- 5 ほか主題歌など
台北MRTの『模仿犯』広告
2023年3月に台湾に行った際、台北MRTの忠孝復興駅にてこのドラマの大型広告が展示されていました。平面広告だけでなく、ライトが光る仕掛けや、動画放映などもあり、宣伝にも力を入れています。ますます期待度が上がりますが、原作からどう台湾の90年代にあわせて脚色するかが気になりますね。
『模仿犯』のあらすじ
舞台は90年代後半の台湾、テレビ局が急増する中、連続殺人事件が起きる。各テレビ局は視聴率獲得のために、手段を選ばずスクープを入手しようとし、事件に関する報道も過激化していく。
殺人事件を得意とするベテラン検事の郭曉其(グォ・シャオチ)は、人生を賭けても、自らの手を汚しても、犯行の決定的な証拠をみつけようと決意する。しかし、狡猾な殺人犯は危ないゲームをしかけて挑発してくる。果たして殺人犯の正体を暴くことはできるのか。
▼予告
『模仿犯』の登場人物 / キャスト
※画像は公式Facebook「模仿犯 Copycat Killer」から引用しました。
郭曉其(グォ・シャオチ)/ 演:吳慷仁(ウー・カンレン)
【検事】
松延(ソンイェン)地検の検事。連続殺人犯から度々の挑発を受けるも、必ず犯人を捕まえようと決心する。
胡允慧(フー・ユンフィ)/ 演:柯佳嬿(アリス・クー)
【犯罪心理学者】
犯罪心理学を専門とするカウンセリング心理学者。殺人犯の心理を解明して事件解決に協力する。
姚雅慈(ヤオ・ヤーツー)/ 演:林心如(ルビー・リン)
【アナウンサー】
TNB報道局の人気アナウンサー。番組の視聴率はいつも高い。
林尚勇(リン・シャンヨン)/ 演:庹宗華(トゥオ・ツォンホァ)
【刑事】
検事の郭曉其(グォ・シャオチ)とともに連続殺人事件を追う。
陳和平(チェン・ホーピン)/ 演:姚淳耀(ジャック・ヤオ)
【深夜番組の司会者】
TNB報道局でスクープをよく報じる深夜番組の司会者。連続殺人事件の報道にも力を入れる。
路妍真(ルー・イェンジェン)/ 演:江宜蓉(キャミー・チャン)
【記者】
TNB報道局の記者。正義感が強く、郭曉其(グォ・シャオチ)の頼れる味方になる。
胡建和(フー・ジェンホー)/ 演:夏騰宏(シア・トンハン)
【カメラマン】
胡允慧(フー・ユンフィ)の弟。沈嘉文(シェン・ジアウェン)の中学の同級生。二人はとある事件に巻き込まれていく。
沈嘉文(シェン・ジアウェン)/ 演:范少勳(フェンディ・ファン)
【DJ】
クラブ「KINK」の人気DJ。過去の暗い思い出を持ち、心の傷を明るい性格で隠す。
張大超(ジャン・ダチャオ)/ 演:侯彥西(ホウ・イェンシー)
【刑事】
林尚勇(リン・シャンヨン)とともに事件を捜査する。
『模仿犯』のみどころ
宮部みゆきの原作小説『模倣犯』をリメイク
本ドラマは、日本のミステリーの女王と称される宮部みゆきの犯罪小説『模倣犯』(2001年3月発行)をベースにしています。
日本で150万部、台湾でも10万部を超える売り上げを記録したベストセラーで、過去にも映画化、ドラマ化されたことがありますが、今回は台湾を舞台にドラマ化。
台湾でも宮部みゆきは有名で、以前図書館でバイトしていた時は常に作品が貸し出しされていました。少し古いデータですが、2014年「DailyView 網路溫度計」のネット調査によると、台湾における日本小説家の人気ランキング第4位に宮部みゆきがランクインしています(注)。
私も宮部みゆきの推理小説が好きで、『模倣犯』も印象に残ったので、今回台湾での実写は最高の日台合作だと思います。
注1)出所:日系小說會上癮!十大日本現代作家! | 每日排名調查 | 第1頁 | DailyView 網路溫度計
90年代後半の台湾メディアの不法地帯を描く
舞台は90年代後半の台湾。当時、台湾では1987年7月に戒厳令が解除されたことで、1988年に報道の規制が緩和。さらに、1993年8月には地上波放送とケーブルテレビの全面自由化が実施され、台湾のテレビ局の数は急速に増え、発展していきます。
テレビ局の急増を受けて過当競争が起き、各社は視聴率を上げるために、手段を選ばずスクープを発掘して報じたり、センセーショナルな報道に走ったりと、メディア報道倫理が社会問題となりました。
この現象を台湾では「媒體亂象」(ㄇㄟˊ ㄊㄧˇ ㄌㄨㄢˋ ㄒㄧㄤˋ / méi tǐ luàn xiàng、メディアの混沌とした状態)と呼びますが、台湾ドラマ『模仿犯』ではまさにこのメディアの問題を題材にしています。
なお、本ドラマのプロデューサーである曾瀚賢(ハンク・ツェン)は、設定を90年代の台北に移したことについて以下のように述べています。
【日本語】
Netflix、「Copycat Killer (英題)」映像化に向け豪華キャストを集結
「90年代後半の台湾は、社会的価値の崩壊によって真実と嘘がごちゃ混ぜになり、マスメディアが活発になった時代でした。本シリーズを通して、かけがえのない正義というシンプルな理念を伝えることができればと願っています」
【繁體中文】
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「有機會改編《模仿犯》是一個與文本持續對話的幸運,我們將故事設定在九十年代末期的台灣,在那個社會價值崩解、真假混雜、傳播媒體飛奔的時代,希望藉由作品,傳達本劇簡單純粹的價值:『正義是無可取代的』。再次謝謝Netflix的支持,讓各種作品的主題都有可能被實踐出來,一起締造新的佳績。」
個人的には、90年代のテレビ局風に仕上げた撮影背景や、TNBテレビ局でのシーンを見ると、確かに台湾のニュース番組の緊迫感が伝わってくる気がします。
【主題歌】麋先生(MIXER)「一種說法 Side of the Story」のMVがプロローグに
台湾ドラマ『模仿犯』の主題歌は、台湾のロックバンド「麋先生(MIXER)」の「一種說法」という曲です。
MVでは吳慷仁(ウー・カンレン)が演じる郭曉其(グォ・シャオチ)と、柯佳嬿(アリス・クー)が演じる胡允慧(フー・ユンフィ)の今までの関係を演じており、このMVを見ておくと、よりドラマ本編の二人に共感できると思います。
二人の過去の関係に驚き…!
ほか主題歌など
【エンディング】家家(JiaJia)「輕傷 Little Hurt」
宮部みゆき × 吳慷仁(ウー・カンレン)の特別対話映像
宮部みゆき先生を始めて映像で見るので嬉しい。こんな雰囲気なんだ!
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