実際の事件を基にした台湾サスペンスドラマ『台湾・クライム・ストーリーズ』【あらすじ、時代背景】

台湾ドラマ『台湾・クライム・ストーリーズ』(原題『台灣犯罪故事』、英語タイトル”Taiwan Crime Stories”)は、台湾で実際に起きた4つの犯罪事件から着想を得た犯罪サスペンスドラマ。

出軌(邦題:脱線)」、「生死困局(邦題:死とともに生きる者)」、「惡有引力」、「黑潮之下」という四つのミニドラマから構成され、全12話で完結予定。2023年1月4日(水)からDisney+でグローバル配信が開始しました。

列車脱線事故保険金詐欺事件、一家惨殺事件、小学校教師殺人事件、軍事基地の幼児殺害事件などの事件を掘り下げると同時に、犯罪に至った人間の心理や欲望や、責任や救いなどのテーマについても描かれています。

4つのミニドラマでは、それぞれ鳳小岳(リディアン・ヴォーン)、林予晞(アリソン・リン)、王柏傑(ワン・ポーチェ)、陳以文(チェン・イーウェン)、傅孟柏(フー・モンボー)を含む豪華俳優陣が出演しており、加害者&被害者心理の演技が期待されます。

また、各ミニドラマは異なる監督によるもので、さらには有名な米ドラマ『CSI:科学捜査班』の脚本を担当したTrey Callawayが顧問を務めたとのことで、サスペンスのクオリティが楽しみです。

第1~3話「脱線」あらすじ ※原題「出軌」

林予晞(アリソン・リン)が演じる保険会社で働く女性主人公は、夫が列車の脱線事故に巻き込まれて意識不明になる。鳳小岳(リディアン・ヴォーン)演じる検索官と調査を進めるうちに、脱線事故は保険金詐欺であることと、夫との結婚関係について疑い始める。

2004~2006年に起きた列車脱線事故「南迴搞軌案」をベースに、夫婦関係、親子関係、兄弟関係の愛憎を描きます。

キャストは、鳳小岳(リディアン・ヴォーン)、林予晞(アリソン・リン)、薛仕凌(シュエ・シーリン)、施柏宇(パトリック・シー)、施名帥(シー・ミンシュアイ)ら。

監督は蕭力修(シャオ・リージョウ)。多くの賞を受賞したドラマ『麻醉風暴』や、映画『複身犯』などの作品があります。

▼予告動画(繫体中文字幕)

▼詳しい登場人物、感想は以下にまとめました。

第4~6話「死とともに生きる者」あらすじ ※原題「生死困局」

王柏傑(ワン・ポーチエ)は、スクープを取るために手段を選ばない記者を演じる。李銘忠(リー・ミンジョン)が演じる一家惨殺事件を起こした極道に取材をするが、彼は容疑を否認し続ける。

80~90年代に起きた一家惨殺事件から着想を得ており、真実や正義とは?善人と悪人の違いとは?について考えさせられます。

キャストは、王柏傑(ワン・ポーチエ)、李銘忠(リー・ミンジョン)ら。

監督は洪子烜(ホン・ズーシュアン)。2018年に初めての長編映画『狂徒』で注目を浴びた若手監督です。

▼予告動画(繫体中文字幕)

▼詳しい登場人物、感想は以下にまとめました。

惡有引力」あらすじ

陳以文(チェン・イーウェン)が演じるのはベテラン警察官。誕生日の日に、宋芸樺(ビビアン・ソン)が演じる小学校教師の娘が、小学校の駐車場で暴行された連絡を受け、真相解明のため捜査を続ける。

1994年に起きた內湖の某小学校教師の性暴行・殺害事件を基に、青少年の犯罪について深掘りします。

キャストは、陳以文(チェン・イーウェン)、宋芸樺(ビビアン・ソン)ら。

監督は范揚仲(ファン・ヤンジョン)。2021年に映画『一人にしないで(原題:不想一個人)』という作品があります。

▼予告動画(繫体中文字幕)

黑潮之下」あらすじ

傅孟柏(フー・モンボー)演じるならず者は、ドラッグを盗んだことで逃亡し、蔡凡熙(ケント・ツァイ)演じる軍人の弟に助けを求める。潜伏中、基地で男児の遺体が発見され、弟は容疑者となってしまう。

1996年に起きた軍事基地の幼女殺害と冤罪事件「江國慶案」を基にしていると言われ、軍隊内のパワハラ、いじめ、権力について描かれています。

キャストは、傅孟柏(フー・モンボー)、李霈瑜(リー・ペイユー)、蔡凡熙(ケント・ツァイ)ら。

監督は徐瑞良(シュー‧ルイリャン)。2019年にドラマ『次の被害者』の共同監督や脚本を務めています。

▼予告動画(繫体中文字幕)

『台湾・クライム・ストーリーズ』の見どころ

2000年代の時代感を再現

台湾では、2000年代に921大地震(1999年)、SARS(2003年)、世界金融危機(2007~2010年)などの重大事件を経験しており、悲しみや痛みに満ちた時代背景でした。

また、制作チームによると、2000年代はまだ監視カメラなどの監視システムも普及しておらず、科学捜査の手法も未熟だったり、事件解決のために不当な方法で自白させることもあったりするので、2000年代を時代背景としたとのことです。

ドラマ内では、2000年代の仄暗い雰囲気を表現するために、登場人物が使う携帯、服装、家電などの小道具や、作中で流れるニュースでも2000年代を想起させるものを散りばめています。台湾人として、第一話を見ただけで、20年前くらいの時代背景だなと分かりました。

台湾で実際に起きた事件がベース

上記の通り、4つのミニドラマはすべて実際の事件を基に制作されています。

実際の事件を想像しながらドラマを見るとますます怖くなりますし、被害者の気持ちを想像すると胸が張り裂けそうです。だた、実際に起きた事件の被害者がどのような心境だったのか、そして加害者はなぜ犯行に至ったのか、という心境をしっかり理解し、今後同じ悲劇を繰り返さないようにすることが重要だと感じました。

主題歌

盧廣仲(クラウド・ルー Crowd Lu)の「天黑黑 Cloudy Day」が本シリーズの主題歌。

「天黑黑」は台湾語の有名な童謡。雨が降りそうな時に空が曇って暗い様子と、おじいちゃん、おばあちゃんの生活風景を歌っています。

台湾の他の歌手、例えば孫燕姿(ステファニー・スン)もアレンジして歌ったことがあります。今回のアレンジ版では、盧廣仲(クラウド・ルー)の歌声を通して、「空は暗いけど、きっと希望の一筋の光が差し込むのだろう」という想いが我々視聴者にも届きます。

参考情報


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