『未来モール』:台湾SFサスペンスドラマのあらすじと登場人物、見どころ紹介

2020年の台湾ドラマ『未来モール』(原題『預支未來』)が日本のNetflixでも視聴できるようになりました!台湾政府脚本賞の受賞作を基に制作され、未来の商品が買えるECサイト「未来モール」がいくつもの謎の事件を引き起こし、人間の根源の欲望が暴き出されていく内容。SF・サスペンス・犯罪ドラマ好きの方にはぜひおすすめしたいドラマです。本記事ではドラマの見どころや感想について紹介したいと思います。

『未来モール』のあらすじ

「未来モール」は未来の商品が買える不思議なECサイト(オンラインショップ)で、あらゆる願いや欲望を叶えてくれる。2020年、鈦城(タイチェン)区ではサイト「未来モール」に関連して、ベストセラー女性作家の謎の死、インフルエンサー誘拐事件…など、複数件もの怪奇事件が起きた。

執念が強い人にしか見えない「未来モール」(Futmalls)は、ランダムにお客様を選んでいるように見えるが、未来からの商品によって、人々の根源の貪欲さが掻き立てられていく。だが彼らはまだ知らない、未来の買い物で自分の人生が歪められていくことを…

▼予告動画(英語字幕つき)

『未来モール』の登場人物|キャスト

※画像と内容は公式ホームページ「預支未來」より引用しました

趙旭鎮(チャオ・スーチェン)|演:張書豪(チャン・シューハオ)

刑事・偵察第三隊のリーダー

未来モールの関連事件を捜査する刑事。直感は鋭いが、独自の行動を繰り広げては上司を困らせている。李仲偉(リ・ゾンウェイ)の血縁関係のない兄で、楊念君(ヤン・ニャンジュン)の婚約者。

李仲偉(リ・ゾンウェイ)|演:禾浩辰(ハー・ハオチェン)

刑事・サイバー犯罪の専門家

理系脳、ロジックに強い。時には几帳面すぎて堅苦しい。趙旭鎮(チャオ・スーチェン)の血縁関係のない弟。楊念君(ヤン・ニャンジュン)とは高校の同級生。

楊念君(ヤン・ニャンジュン)|演:劉奕兒(リュウ・イーアー)

心療内科医

心療内科医で、警察が特別に契約している顧問でもある。穏やかな性格。植物を植えることが好きで、新しい治療法「園芸治療」を提唱する。旭鎮(スーチェン)の婚約者で、仲偉(ゾンウェイ)とは高校の同級生。

白詠心(バイ・ヨンシン)|演:邵雨薇(シャオ・ユーウェイ)

人気インフルエンサー

ライブ配信を行う有名なインフルエンサー。配信のテーマは噂や科学仮設などの検証がメイン。まっすぐな性格で、好奇心が強い。有名作家白詠琍(バイ・ヨンリ)の妹である。

白詠琍(バイ・ヨンリ)|演:林予晞(アリソン・リン)

【第1~3話「ベストセラー作家」編】小説「決別シリーズ」の人気作家

ベストセラー小説『決別の人生』と『決別の家』で一躍有名となったが、新作の筆が進まず悩む作家。未来モールを訪れた後、シリーズ第3作『永遠の決別』の原稿を完成させた後、謎の死を遂げてしまう。

劉向達(リュウ・サンダ)|演:黃河(ホアン・ハー)

【第1~3話「ベストセラー作家」編】詠琍(ヨンリ)の夫・作家

結婚前は無職で作家を目指しており、ヨンリのファン。心を通わせてヨンリと結婚した後、小説家になるが、作風がヨンリに似すぎることで三流作家とされる。

江美珍(ジャン・メイチェン)|演:黃嘉千(ホァン・ジアチェン)

【第4~5話「亡き息子」編】息子を愛する母親

警察庁で働く職員。息子の小傑(シャオジェ)を2010年に車の事故で亡くすが、まだその事実を受け入れられない。「未来モール」で謎の目薬を買う。

陳冠廷(チェン・グアンティン)|演:屈中恆(チュー・ ジョンハン)

【第4~5話「亡き息子」編】美珍(メイチェン)の夫

息子を亡くした後、念君(ニャンジュン)のところで診療を受ける。妻・美珍(メイチェン)との関係は徐々に冷めてしまう。

詹國祥(ザン・グオシャン)|演:巫建和(ウー・チエンホー)

【第6~8話「空気人形/誘拐」編】無口で内向的な男

奥手な性格で、人と話すのが苦手。昆虫を集めるのが好き。「未来モール」で不思議な空気人形を購入する。

『未来モール』の見どころ

台湾政府の脚本賞を受賞・タイムトラベルの新たな解釈

本ドラマの脚本は、2016年度の台湾文化部(日本でいう文化庁)のテレビ番組創作脚本賞の受賞作『未來商城』(日本語訳:未来モール)を基に制作されたものです。

※参考:105年度電視節目劇本創作獎得獎名單(繁体中文)

ECサイト「未来モール」で未来の商品を購入すると、現在の人生が予期しない方向へ歪められるという内容は、日本の『世にも奇妙な物語』にも登場しそうな設定ですが、具体的な犯罪事件に繋がり、刑事が捜査する場面が多く登場するので、SF好き、サスペンス好き、犯罪ドラマ好きの方は必見です。

また、本作では登場人物が誰一人も時空を超えていないのに、タイムトラベルにおける有名なパラドックス「親殺しのパラドックス」が新たな観点で解釈されている点が特徴的。ここで「親殺しのパラドックス」の定義を見てみましょう。

タイムトラベルにまつわる逆説。タイムマシンを利用して過去の世界に行き、自分の父親となる人物を、母親と出会う前に殺してしまったらどうなるかを問うもの。父親を殺すと自分が生まれてこないため、タイムトラベルをすることができない。しかし、自分が存在しなければ父親は殺されず、自分が生まれてタイムトラベルをして父親殺しをすることになり、論理的に矛盾してしまう、という説。祖父殺しのパラドックス。

Weblio辞書:デジタル大辞泉より

親殺しのパラドックスが「過去を変える→現在と未来も変わり矛盾が生じる」説であるのに対し、ドラマ『未来モール』では「未来の商品を使う→現代が変わる」設定となり、時間軸の流れが逆となっています。

予告動画にも登場しますが、ドラマ内の以下セリフがこの矛盾を分かりやすく説明しています。「未来を良くしたいがために、人々は現在を変えたがるが、変えたところで未来は良い方向に進むのか?」という問いを、本ドラマで改めて考えさせられます。

中国語:「你知道未來,就想要改變現在。但你改變了現在,等於改變了未來,就像是一個無限迴圈」

日本語訳(辛党R訳):「未来のことを知れば、現在を変えたくなる。ただ、現在を変えると未来もまた変わってしまう、まるで無限ループのように。」

ドラマ『未来モール』より

公式Facebook『預支未來』より引用

人間根源の欲望を描く

本ドラマで「未来モール」にアクセスできる人は限定され、普通の人はアクセスしてもエラーが出ます。サイトが見れる人の共通点は、強烈な欲望・喪失感・劣等感を抱いている点で、「有名になりたい」「もっと美しくなりたい」「大切な人を失いたくない」など、誰もが感じるような欲望・恐怖を描いています。そのため、「自分が登場人物だったら、同じく未来モールから物を買っちゃいそう」とつい共感してしまいます。

実力派俳優・女優の名演技に注目

実力派の中堅・ベテラン役者が勢ぞろいで、欲望や不安を抱える人、緊迫感あふれる事件捜査をうまく演じています。

私が特に注目したのは、第1~3話「ベストセラー作家」編で劉向達(リュウ・サンダ)を演じた黃河(ホアン・ハー)と、第6~8話「空気人形/誘拐」編で不器用なエンジニア詹國祥(ザン・グオシャン)を演じた巫建和(ウー・チエンホー)。違う人格を演じているかのような熱演にぜひ注目いただきたいです。

公式Facebook『預支未來』より引用

最終話の第8話まで見ると、まだ色々と謎が残されているようですが、台湾のメディアによるとシーズン2も予定されているようなので、続編にも期待です!

【中国語】原題『預支未來』の意味

  • 預支」(ㄩˋ ㄓ|yù zhī):給料などを前渡し、または前借りすること
  • 未來」(ㄨㄟˋ ㄌㄞˊ|wèi lái):日本語の「未来」と同じ

中国語の原題を直訳すると「未来を前借りする」意味ですが、お金の前借りが「現状お金が足りず苦しい」イメージを想起させられます。ドラマ内の「現状不満」「未来を切り崩してでも今の人生を良くしたい、なのにますます負のループに陥ってしまう」ことを暗示しているのでしょう。


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