『恋愛は科学』恋愛ドラマからみる台湾の「三高男子」「三高女子」【あらすじ、登場人物】

台湾ドラマ『恋愛は科学』（原題『戀愛是科學』、英語タイトル”Love is Science?“）は、2021年に台湾で放送された恋愛ドラマ。

結婚相談所「恋愛科学」を経営する敏腕女性CEOは、偶然幼馴染の弟と再会し、良い関係になっていくが、離婚したハイスペックの元夫も現れる……？！年下男との関係に居心地良さを感じつつ、スペックや年齢差などを気にして躊躇してしまうお話です。

結婚相談所が登場するドラマなので、台湾での婚活事情が垣間見えるのが面白いです。また、結婚相談所の女性CEOが対面する「犬系男子年下男 VS ハイスペック元夫」はもちろん、「金融系ハイスペック女子 & 農業系優男」の恋物語や、LGBTの話題など、色んな「愛の形」が描かれています。

特に「三高女子」の婚活は難しい！という課題がテーマになっていますが、このドラマを通して、日本と台湾のいわゆる「三高男子・女子」の定義の違いが気になったので、登場人物と合わせて掘り下げてみたいと思います。

『恋愛は科学』のあらすじ

結婚相談所「恋愛科学」の女性CEOである顏霏（イエン・フェイ）は、ビッグデータを活用して多くの独身男女を交際・結婚まで導いてきたが、自分はバツイチ。

ある日、彼女は幼馴染の弟、王軒宇（ワン・シュエンユー）と偶然再会する。王軒宇（ワン・シュエンユー）は若き美容師で、子供の頃から顏霏（イエン・フェイ）にずっと片思いしてきた。

再会をきっかけに距離が縮まる二人だが、顏霏（イエン・フェイ）の元夫・霍永泰（フオ・ヨンタイ）が突然帰国し復縁を求めてくる。「100点満点のハイスペック元夫」と「自分を17年思い続けてきた犬系年下男子」、果たしてビッグデータはどちらが「最高の人生のパートナー」であるか教えてくれるのか？

▼予告

『恋愛は科学』の登場人物 / キャスト

さすが婚活の話だけあって、公式から各登場人物のスペックについて情報がリリースされています。年齢、身長、体重に加えて、台湾人が好きな「星座」の情報も入っているところが台湾っぽい！

※画像は公式Facebook「三立華劇」から引用しました。

顏霏（イエン・フェイ）/ 演：莫允雯（クリスティーナ・モク）

34歳 / 168cm / 49kg / おひつじ座
結婚相談所「恋愛科学」CEO

CEOおよび婚活プランナーとして働く。クライアントのために全力で人生のパートナーを探してあげるも、自身はバツイチ。

女優の莫允雯（クリスティーナ・モク）は身長169cmでスタイルが良く、アメリカ出身で英語が堪能なイメージがあるので、作中のアメリカ留学した経歴や見た目とマッチしている。

王軒宇（ワン・シュエンユー）/ 演：吳念軒（ウー・ニエンシュエン）

27歳 / 185cm / 71kg / やぎ座
美容師

美容室Voodoo（ブードゥー）で働く美容師。明るく優しい性格だが、自分の軸を持っている。

役者の吳念軒（ウー・ニエンシュエン）は、甘い顔立ちながらも身長は185cmもある！

霍永泰（フオ・ヨンタイ）/ 演：宥勝（ヨウション）

40歳 / 72kg / みずがめ座
ホテル「ロイヤルホテル」ブランド戦略長

グローバル展開しているホテルチェーンで働く。顏霏（イエン・フェイ）の元夫。男前で頭脳明晰。

宥勝（ヨウション）はアドベンチャー系バラエティでよく見ており、スポーティーなイメージが強かったので、この役が個人的に斬新。

卓乃慧 / 演：葉全真（イエ・チュエンジェン）

40歳 / しし座
銀行のシニア・バイス・プレジデント

冷静沈着で自分に厳しい。高収入・高学歴・高身長の「三高女子」。三カ月以内に結婚できるよう婚活に励む。

「三高女子の婚活は厳しい！」という本作の重要キャラ。台湾では「しし座＝リーダーシップ・強気」なイメージがあるが、そこもぴったり。

吳有福 / 演：許懷民

42歳 / やぎ座
農民

実直で勤勉な性格。地方で農業を営んでおり、年取った両親の面倒を見るために結婚適齢期を過ぎてしまう。

農民が婚活というドラマではあまり見ない設定。金融業バリキャリ女子×農業系男子の恋模様が見どころ。

喬安娜（チャオ・アンナ）/ 演：黃薇渟（ホワン・ウェイティン）

34歳 / いて座
キャビンアテンダント（CA）

結婚相談所「恋愛科学」の大株主、かつ顏霏（イエン・フェイ）の大親友。セクシーで自由奔放な性格で、結婚しない主義。

顔が個人的にとてもタイプ！親友思いなところが素敵。

李馬克（リー・マーク）/ 演：鄭暐達（アンダーソン・チェン）

27歳 / ふたご座
美容師

美容室Voodoo（ブードゥー）で働く美容師。王軒宇（ワン・シュエンユー）の同僚かつ親友。陽気キャラで大の女好き。

最初いけ好かないなと思いつつ、徐々に忠犬感が強くなり、好きになっていった。

戴歐文（ダイ・オーウェン）/ 演：林禹（リン・ユー）

30歳 / てんびん座
結婚相談所「恋愛科学」のプランナー

いつも英国紳士のような上品な装いをしているが、皮肉を言うのが好き。男性のことが好き。

本当に色んな色のスーツが似合うキャラ。意外な恋の展開に驚き！

柳勝英（リウ・ションイン）/ 演：高雋雅（クローバー・カオ）

28歳 / 162cm / 46kg / かに座
結婚相談所「恋愛科学」のプランナー

見た目はカッコよく、性格もクールだが、内面は優しくて弱い部分がある。女性のことが好き。

LGBTに対する寛容性は高めの台湾だが、やはりLGBTに対するいじめや差別は存在する。そんな悲しい過去を持つ彼女。

張沁藍（ジャン・チンラン）/ 演：李京恬（メラニー）

26歳 / 47kg / さそり座
女性誌の編集者

親切でフレンドリー、正義感がある。男女問わず好かれるタイプ。

この子は悪くないと思いつつ、このドラマの立場上、どうしても悪者感が出てしまって気の毒。

台湾と日本の「三高男子」「三高女子」

ここから本題。このドラマを見て、台湾と日本ではいわゆる「三高」の定義が少し異なるのかなと思い、調べてみました。

日本の「三高男子」

もはや説明不要ですが、Wikipediaによると「高学歴」「高収入」「高身長」の三つが条件です。

「高学歴」、「高収入」、「高身長」の男性のこと。1980年代末のバブル景気全盛期に、女性の主流層が結婚相手の条件にこの三高を求めた。

三高 – Wikipedia

台湾の「三高男子」「高富帥」

台湾は日本文化の影響を強く受けているため、日本でいう「三高男子」という概念も伝わってきています。ただ、日本文化が好きな若者世代は知っている人は多いかもしれないですが、日本ほど一般的に普及はしていない印象です。

そのかわり、台湾では結婚などの好条件として、中華圏でよく使われる「高富帥」という言葉が良く使われます。「高富帥」は字面上の意味の通り、「高＝身長が高い」「富＝お金持ち」「帥＝かっこいい」という三つの条件を兼ね備えた男性を指しています。

台湾・中華圏の「高富帥」と日本の「三高男子」の相違

• 「高身長」：台湾も日本も条件として入っています。
• 「高収入」：日本だと「年収1000万円以上！」と年収を基準としているイメージがあります。ただ、台湾や中華圏は個人の収入だけでなく、「富二代（お金持ちな二世）」という言葉もあるように、親から受け継いだ財産や会社の経営権なども評価される印象。台湾では個人経営者や二世が比較的多いからでしょうか。
• 「高学歴」：日本の「三高」には含まれ、いわゆるハイスぺ男子は「高学歴」が重要ですが、台湾・中華圏の「高富帥」にはないです。この違いについて、ちょうど夫が言語学習アプリDuolingoで中国語を勉強している時に、「雖然他是一個高富帥，但是不聰明」という興味深い表現がありました。「彼は高富帥だが、賢くない」という意味ですが、台湾・中華圏のハイスぺ男子は学歴や賢さは条件ではないようですね。
• 「高顔面偏差値」：台湾・中華圏の「高富帥」にしか含まれないです。

このドラマに関していうと、ハイスペック男子である霍永泰（フオ・ヨンタイ）はかっこいいし、頭脳明晰だから賢いはずだし、高年収だし、身長は高いし、上記基準をすべて満たしていることになりますね。

日本の「三高女子」

日本の「三高女子」もWikipediaで調べてみると、「高学歴」と「高収入」は男性の定義と同じだが、身長の代わりに「地位が高い」ことが条件でした。

「高学歴」、「高収入」、「地位が高い」女性のこと。

三高 – Wikipedia

台湾の「三高女子」

台湾ではそこまで「三高女子」の名称は流行っていない印象ですが、このドラマの公式Facebookページ上で、卓乃慧（ハイスペック女子の代表）の紹介を見ると、以下2パターンの定義が見つかりました。

1. 收入高、學歷高、身高高（高収入、高学歴、高身長）
   →日本の「三高男子」と同じ定義
2. 高顏值、高學歷、高收入（高顔面偏差値、高学歴、高収入）
   →日本の「三高男子」と、台湾・中華圏の「高富帥」を一部ずつ取り入れている

台湾と日本の「三高女子」の相違

• 「高学歴」「高収入」：日本と台湾で共通しています
• 「地位が高い」：日本だけこの条件がありますが、士業である、役職が高い、大手企業で働くなどを指しているのであれば、間接的に「高収入」に繋がるのかなと思われます。
• 「高身長」：台湾だけ。日本では高身長より、女性は小柄な方が可愛らしく見えるので好まれるイメージがありますが、台湾ではスラリとした身長、スタイルの良さが魅力的だと考える人も多いです。「バチェラー・ジャパン」4代目バチェラー 黄皓さんのインタビューを以前読んだ時、「中国は身長を気にする風潮がある。身長の低い彼女を紹介するとちょっと両親が不安そうな顔をする」という一句がありましたが、中華圏では高身長の女性が好きな割合が日本より多そうですね。
• 「高顔面偏差値」：男子同様、日本にはなく台湾にしかない条件です。

細かいところで異なるものの、「婚活市場においては不利」「三高男子はモテるのに、なぜ三高女子はモテないの？」という点は共通しています。ドラマでは「婚姻仲介市場的死亡組合＝婚活市場の致命的な（条件の）組み合わせ」と呼ばれてしまっています。

『恋愛は科学』のみどころ

※ネタバレを含みますのでご注意ください

• 婚活において重視すべきポイントはスペック？それとも価値観や性格、相性？
  • 自分のことが大好きな犬系男子 VS エリートな元夫、ハイスペック女子 & 高卒農民男子の恋模様を通して、恋愛ドラマにありがちですが、人生のパートナー探しに本当に重要なポイントが見えてきます。
• 結婚適齢期の女性を襲う分岐路——キャリアを選ぶか、それとも愛を選ぶか？
  • 仕事にやりがいを感じる張沁藍（ジャン・チンラン）は、海外研修の機会を得るものの悩みが……。このシーンは、日本ドラマ『リコカツ』で北川景子が演じる雑誌編集者が、海外研修のチャンスを得たが……、というシーンお思い出しますが、日台アラサー女子が直面しがちな悩みです。
• 愛に性別は関係ない、愛には色んな形がある――LGBTの多様性
  • 台湾のドラマや映画らしく、LGTBのテーマが登場し、差別や理解、親世代への説明などについては考えさせられます。結婚や家庭、子供など、同性婚が認められた台湾ならではの話題も出てきます。

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