『最後の雨が降るとき』(無神之地不下雨)台湾原住民の神話を題材にした恋愛ドラマ【あらすじ、登場人物】

台湾ドラマ『最後の雨が降るとき』(原題『無神之地不下雨』、英語タイトル”Rainless Love in a Godless Land”、直訳すると「神のいない地に雨は降らない」)は、台湾原住民「阿美族」の神話をモチーフにした世紀末の恋愛ドラマ。曾之喬(ジョアンヌ・ツァン)、傅孟柏(フー・モンボー)、顏毓麟(ヤン・ユーリー)主演、鄭元暢(ジョセフ・チェン)、柯佳嬿(アリス・クー)友情出演。

物語は台湾原住民「阿美族」の精霊信仰(アニミズム、汎霊説ともいう。生物・無機物を問わず、すべてのものの中に霊魂、もしくは霊が宿っているという考え方)から着想を得た作品です。環境問題により、神々は人間が住むこの土地を守り続けることを止め、最後の雨が降る中人間界を離れていきますが、そこで神と人間の世紀末の恋愛が繰り広げられます。

制作会社は、2019年の大ヒットドラマ「時をかける愛(想見你)」を手掛けた三鳳製作(スリーフェニックス・プロダクション)で、環境問題を背景にしつつ、「神様と人間が繰り広げる世紀末の恋」という独特な世界観を描いているので、ずっと内容が気になっていました。また、台湾原住民阿美族の神話や言葉を学ぶ機会がなかったので、このドラマを通して阿美族の文化にも触れられたらいいなと思います。

2021年10月17日から台湾のテレビ局で放送開始、日本からは動画配信サービス「愛奇藝(iQIYI)」で、繫体中文の字幕でも視聴可能なのが嬉しい!

『無神之地不下雨』のあらすじ

世界の始まりの時、全能の造物主(Kakarayan ※)はこの土地に多くの祝福と加護を与えてくれた。山、川、草木、鳥獣、魚、虫らが人間の父母兄弟となり、彼らのことを「神霊(Kawas ※)」と呼んでいた。しかし、月日が流れるとともに、人間は徐々にKawasが与えてくれた祝福や加護を忘れてしまう。そこで造物主(Kakarayan)は人間に与えたすべての恩恵を取り戻すことを決め、人間界は「神のいない地」と化してしまう。

世界が終わる日、最後の雨が降る中、万物の神々は人間界を離れ、神の故郷へと戻っていく。だが、神々の帰郷を担当する雨の神「’Orad」は、人間の女性「謝天娣」を忘れ去ることができず、彼女を守るために冒険することに。

最後の一滴の雨が降り注ぐまでに、人間は再度神々から受けた祝福や愛を思い出すことができるのか……?

※阿美族語、阿美族の精霊信仰に基づく

▼予告動画(英語字幕つき)

『無神之地不下雨』の登場人物 / キャスト

※画像は公式Facebook「無神之地不下雨」より引用しました

雨の神 ‘Orad / 演:傅孟柏(フー・モンボー)

造物主(Kakarayan)の人間界における代行者-雨の神、謝天娣の守護神でもある。雨水を管理し、瞬間移動する能力を持つ。

雨の神として人間界を行動し、造物主が見せる未来の光景を見ることができる。

同時に守護神として、いつでもどこでも謝天娣のことを守ろうとする。たとえ世界が終わろうとしても……。

謝天娣 / 演:曾之喬(ジョアンヌ・ツァン)

楽天的で信心深い人間の女性。そんなに大変な問題に遭遇しても、いつも奇跡的に解決できるので、自分は幸運の持ち主だと信じてやまない。口癖は「謝天謝地(ありがたやありがたや」で、常に神々に感謝をしている。

幼少期に大病にかかり、部落の唯一の祭師である祖母に追い出され、故郷を離れて台北のおばの家に居候する。その時から赤い血の色をした目に追われる夢を見続けるが、いつも背の高い男性が登場して彼女を助ける。ただし、その男性の姿を思い出すことができず……。

※名前「謝天娣」は「謝天地(天地に感謝」と同じ発音で、彼女の口癖「謝天謝地(ありがたやありがたや)」にも関連する。

風の神 Fali / 演:鄭元暢(ジョセフ・チェン)

強風の神。神々が人間界から離れる任務を主導する。瞬間移動と、記憶を修正する能力を持つ。

人間界における万事の因果を整理するのが仕事で、すべての物事が造物主の手配に沿って進むよう管理している。「記憶の櫛」の管理者でもある。

万物は平等であると考え、正誤や白黒などははっきりさせ、些細な違いでも一つ残らず正そうとする。

雲の神 Toem / 演:柯佳嬿(アリス・クー)

雲を司る神。外見も雲や霧のように瞬時に変わる。瞬間移動や、人の心の奥の記憶や欲望を読み取る能力がある。

ある日、未来の断片を目撃してから、雲は色を失ってしまう。雨が降る前には憂鬱とした黒い雨雲に変貌してしまうようになる。

彼女は造物主や時空の決まりに反してしまったため、造物主は罰として、雲の神の身分を奪うだけでなく、人々が怖がる赤い目を与えることに……。

知恵の神 李溥輝 / 演:顏毓麟(ヤン・ユーリー)

大学で哲学を教える教授。雨の神の長年(万年を超える)友人。口達者で、何事もコントロールしたがる奥さんを持つ。

自然界が生み出した神々とは異なり、知恵の神は人間の知恵から生まれた。そのため、人間と一緒にいることを好む。大学では人気の教授だが、家では恐妻家と化し、奥さんの魔の手から逃れられない。なぜなら、2人は造物主が作り出した永遠の夫婦だから。

整理の女神 Malusakadat / 演:郭書瑤(グオ・シューヤオ)

知恵の神・李溥輝の永遠の妻。風の神が人間界の万物の因果を整えることを手伝うのが仕事で、趣味はすべての物事を綺麗に整理整頓すること。一番嫌いなのは計画外のイレギュラーなことで、予想外の出来事には耐えられない。

夫である知恵の神・李溥輝の性格とは全くの極端であり、数千年以上ともに暮らしてきたにも関わらず、分かり合える兆しが見えない。夫の適当かつ口任せな性格に文句を言いつつ、彼の散らかり放題な研究室を定期的に掃除しにいく……。

サンゴの神 Raka / 演:鍾欣凌(チョン・シンリン)

海のサンゴ礁からやってきた神。人間が徐々に神々のことを忘れていく時代になると、多くの神は自分の身分を隠し、人間と共同生活を送る形で、造物主が始まりの時に定めた約束「人間に祝福・加護を」を守る

人間界で生活する中、彼女は生みの母親に育児放棄された姉妹を受け入れ、世話をしていくうちに嬢が芽生えていく。だが、造物主が神々に人間界を離れるよう命じた後、彼女は姉妹のことを案じ、神の身分を捨ててまで人間界に残ろうとする。

巴奈 / 演:柯淑勤(コー・シューチン)

謝天娣の祖母。原住民部落の祭司(Sikawasay)として多くの責任を担うため、子供だった頃の天娣には、普通の優しいおばあちゃんのように接し、部落の神話を語り聞かせることがあまりできなかった。

メジロの神 Cariwciw / 演:嚴正嵐(ベラ・イェン)

林からやってきた巴奈の守護神-メジロの神。いつも活気よく動き回り、チュンチュン鳥のように喋り続ける。ずっと巴奈のそばで彼女の苦労や痛みを見続けてきたが、力になることができない。

エピソード

※一部ネタバレにご注意ください

第1話「被眾人遺忘的祂們」(人々に忘れ去られた神たち)

造物主(Kakarayan)の代行者である’Orad(雨の神)は、人間界における最後の任務-万物の神々(Kawas)が最初の原生地(Pinokayan)に戻ること―を遂行する。ある日、’Orad(雨の神)はピンチを迎えた謝天娣の前に現れる。謝天娣は彼のことを思えていないものの、不思議な懐かしさを感じる。

一方、風の神 Faliは、人間の姉妹を育て、人間界を離れたくないサンゴの神 Rakaが、悪霊になった雲の神 Toemの協力のもと、脱出をしたことに気づき、神々の人間界撤退計画に影響を及ぼすことを恐れる。

公式ホームページ「無神之地不下雨 | 八大電視」より

第2話「是守護神,還是死神?」(守護神?それとも死神?)

謝天娣が朝目覚めると、酔っぱらいの男が部屋にいることに気づき、分厚い本で後頭部をめがけて殴る。

その翌朝、’Oradが目覚めた後、昨夜何が起きたのかを必死に思い出そうとする。一方、謝天娣は奇妙な櫛を握っていることに気づき、徐々に昨夜のことや、この20数年間、自分のことを守ってきた男のことを思い出す。彼はなんと自分の守護神だったのだ。だが、なぜ守護神である彼は、近い将来、最後の雨が降る中死んでいく光景を見せてくるのか…。

第3話「上帝不擲骰子」(神はサイコロを振らない)

再び倒れてしまった謝天娣は、幼少期の謎の病や、赤い目の女性のこと、そして’Oradが自分の守護神になってくれた過去を思い出す。その一方、人間界の最後の雨が降り注ぎ、神々(Kawas)は神の原生地へ続々と戻っていく。

第4話「最後一場雨之後…」(最後の雨が降った後…)

交通事故に遭った後、未来の予言に反して生き残った謝天娣は不思議に思う。’Oradは造物主(Kakarayan)の命令に反してしまったため、未来の断片が見えなくなってしまう。最後の雨が降り終わり、世界の終わりが始まる中、能力を失った’Oradは謝天娣を守り続けようとする。

第5話「寧靜末日倒數中」(静かな世界の終わりのカウントダウン)

雲の神Toemが相変わらず謝天娣を狙っているため、神の力を失った’Oradは一日中つきっきりで彼女を守ろうとする。煩わしく思った謝天娣は、’Oradの能力を取り戻すために、祭司のおばあさんの元を訪れる。

公式ホームページ「無神之地不下雨 | 八大電視」より

……第13話まで続く予定


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