『ロマンスは連載中』恋愛小説の世界に迷い込んでしまう?!ラブコメ台湾ドラマ【あらすじ、登場人物】

台湾ドラマ『ロマンスは連載中』(原題『浪漫輸給你』、英語タイトル”Lost Romance“)は、2020年6月~10月に台湾で放送されたラブコメドラマ。

恋愛小説の編集を務める主人公が、ある事件をきっかけに恋愛小説の世界に迷い込んでしまい、脇役から女性主人公の座まで上り詰めていくことを目指すという斬新な設定で、台湾で放送されてから話題を呼び、ネットでは2020年度最も人気な台湾ドラマ第1位として選ばれました。

話題だったので気になっていましたが、ちょうど最近プライベートで落ち込む出来事があったので、気軽に楽しくラブコメを見たいと思い見始めたところ、やはりネットの話題通り新感覚な面白さですぐハマってしまいました。

特に女性主人公が外からの人間として、恋愛小説の鉄板ネタを突っ込んでいく点が面白く、共感しながら見ることができます。

本ドラマのテーマでもある、台湾の恋愛小説のうち「霸道總裁」というジャンルについて、また登場人物の名前に込められた語呂合わせの意味について、本記事で深掘りしてみたいと思います。

ちなみに私は台湾のオリジナル版を見たかったので、こちらのVidolから台湾版(中国語字幕つき)を見ています。日本字幕版は以下配信サービスからレンタルで視聴できるようです。(2022年4月17日時点)

『ロマンスは連載中』のあらすじ

鄭曉恩(ジョン・シアオエン)は出版社で恋愛小説の編集者として働く平凡な女性。白馬の王子様がいつか自分を社畜生活から助けてくれることを夢見る傍ら、いつも同僚と一緒にオフィスの向かい側にある大企業「天亮グループ」のイケメンCEO賀天行(ホー・ティエンシン)をドローンでこっそり観察するのが楽しみ。

しかし、このささやかな趣味をきっかけに、彼女は賀天行(ホー・ティエンシン)のある事故を目撃してしまい、ショックのあまり気絶してしまう。再び意識を取り戻した鄭曉恩(ジョン・シアオエン)だが、目が覚めると世界ががらりと変わり、ある恋愛小説の世界に迷い込んでしまう?!

そこでCEO賀天行(ホー・ティエンシン)と再会するも、彼の名前は「司徒傲然(スートゥー・アオラン)」に変わっていた。しかも小説の世界では他に女性主人公役が存在し、自分はただの脇役で恋敵……。

▼予告編

『ロマンスは連載中』の登場人物 / キャスト

※一部ネタバレを含みますのでご注意ください。

※画像は公式Facebook「三立華劇」から引用しました。

鄭曉恩(ジョン・シアオエン)/ 演:宋芸樺(ビビアン・ソン)…28歳

【現実世界】鄭曉恩 / 如歌出版社の社員
恋愛小説の編集者として働く平凡な女性。恋愛小説、特に「霸道總裁」というドSな俺様系CEOのジャンルを読むのが好き。また、オフィスの向かい側のイケメンCEOを観察するのも好きだが、CEOに関するある事件の唯一の目撃者になってしまう。

【小説世界】鄭曉恩 / 皇家グループ マーケティング企画部の社員
か弱い女性主人公をいじめる恋敵役。恋愛小説における恋愛王道ネタを熟知しており、その強みを生かして主人公のCEOに振り向いてもらおうとする。

【感想】白馬の王子様に助けられるお姫様体質ではなく、強かな一面も持つ新時代の女性像が素敵。体を張る演技も素晴らしい!

賀天行(ホー・ティエンシン)& 司徒傲然(スートゥー・アオラン)/ 演:張立昂(マーカス・チャン)…32歳

【現実世界】賀天行 / 天亮グループのCEO
冷静沈着で自分を律する若きCEO。父が病で倒れた後、兄弟姉妹たちの経営権争いに巻き込まれ、ビルから墜落してしまう。

【小説世界】司徒傲然 / 皇家グループのCEO
恋愛小説における典型的なドS俺様系イケメンCEO。身長が高く、収入も高く、顔面偏差値も高いという三高男子。純粋な楚楚に惹かれるが、曉恩が登場してから調子が狂う。

【感想】司徒傲然という名前はかなり非現実的で、苗字「司徒」もなかなか見ないし、名前の「傲然」も驕り高く尊大に振舞う意味。この名前を聞くたびにコントみたいで笑ってしまう(笑)

端木青風(ドワンムー・チンフォン)/ 演:連晨翔(サイモン・リアン)…28歳

【小説世界】皇家グループのCSO(戦略責任長)
親切なイケメン。ユーモアで才能もある。もともと楚楚に片思いをしていたが、曉恩が登場してから徐々に彼女に興味を持ち始める。ただし、誰にも言っていないある秘密を抱えている。

【感想】「端木」って日本人の名前か?!とツッコミたいくらい、台湾には絶対ない苗字で、ますます小説感を醸し出している。ドラマ『時をかける恋』では許光漢(グレッグ・ハン)と熱い共演を。

賀天健(ホー・ティエンジエン)& 司徒黙然(スートゥー・モーラン)/ 演:許孟哲(ジェイソン・シュー)…34歳

【現実世界】天健 / 天亮グループの人事部リーダー
親切で他人思いな性格。天亮グループの三兄弟の長男。賀天行の腹違いの兄。高圧的な姉や、いつも比較されがちな弟の賀天行の間に挟まれ、温厚な平和主義となった。

【小説世界】司徒默然 / 司徒傲然の兄
いつも司徒傲然からお金を借りたりなど、困らせる存在。

【感想】名前の「默然」は「無口な、静かな」という意味があるが、司徒傲然と比較してのネーミングかな。それにしても許孟哲、5566という台湾のアイドルユニットで大人気だったが、久々にドラマで見るな。

賀明莉(ホー・ミンリー)/ 演:廖奕琁(ケリー・リャオ)…36歳

【現実世界】天亮グループのCSO(戦略責任長)
天亮グループの美しき長女。威圧的で怒りっぽい性格。腹違いな賀天行が天亮グループのCEOになっていることに不満を持ち、経営権を争うことになる。また、経営権や遺産を息子にしか譲ろうとしない母や、日和主義の弟・天健とも衝突する。

【感想】名前の「明莉」は中国語の「名利」、すなわち「名声と利益」と同じ発音。彼女が権力を欲しがりどんどん道を踏み外すことを暗示しているだろう。美しいけど本当に怖すぎて、この社長令嬢こそ「霸道總裁」(ドS CEO)では?

凌楚楚(リン・チューチュー)& 楚楚(チューチュー)/ 演:蔡瑞雪(スノーベイビー)…26歳

【現実世界】凌楚楚 / 天亮グループの社員
純粋で優しく真面目な女の子。仕事でミスをしてこっそり泣いていたことで、CEOの賀天行の注意を引く。

【小説世界】楚楚 / 皇家グループ マーケティング企画部の社員
か弱く清純で可憐な女性主人公。典型的な愛されお姫様キャラで、主人公であるCEOが一目ぼれする美貌も持つ。しかし、鄭曉恩が登場したことで、ストーリーが予期せぬ方向へ発展する。

【感想】「楚楚」という名前は「楚楚可憐」という四字熟語から取っていると思われる。意味は「(小さい樹木や若い女性などが)弱々しく可愛らしい」こと。女優の蔡瑞雪(スノーベイビー)は、ドラマ版『返校 Detention』の学級委員長役として登場していたが、雰囲気ががらりと変わって驚き。

林春天(リン・チュンティエン)& 林秋天(リン・チウティエン)/ 演:劉主平(リウ・ジューピン)…30歳

【現実世界】林春天 / 如歌出版社の社員
楽天的で、笑顔を絶やさない女の子。曉恩の一番の友人で、家族同然の仲。いつも一緒にCEO賀天行の観察をしている。

【小説世界】林秋天 / 皇家グループ マーケティング企画部の社員
楚楚をいじめる存在として、曉恩、蘇珊と三人組で登場する。

【感想】春と秋は、映画『(500)日のサマー』のネーミングを思い出させるが、真逆であることを表現したいだけかな。こんな家族同然な親友憧れる。

蘇珊娜(スー・シャンナー)& 蘇珊(スー・シャン)/ 演:陳歆姸(チェン・シンイエン)…32歳

【現実世界】蘇珊娜 / 天亮グループの秘書室室長
聡明でテキパキしており、天行の親友。天行がビルから墜落した事故の真相を解明しようと紛争し、天行のことを守ろうと努力する。

【小説世界】蘇珊 / 皇家グループ マーケティング企画部の主任
可憐でドジっ子の楚楚が気に入らず、曉恩、蘇珊と三人組で彼女のことをいじめる。

【感想】主任で役職が高めだけど三人組とは友達同然の仲。ちなみに、本の中では「蘇珊」なのでずっとSusanだと思っていたけど、現実世界だと苗字が「蘇」、名前が「珊娜」でSusanというわけではなかった(どうでもいい。

喬治(ジョージ)/ 演:李迪恩(ディーン・リー)…32歳

【現実世界】天亮グループのCSO(戦略責任長)の特別アシスタント
いつもぱりっとスーツを着こなし、CSOの賀明莉(ホー・ミンリー)のために大小さまざまなタスクをこなす。身体能力も高く、忠誠度も高い。

【感想】顔面偏差値がCEOたちに顔負けしないと思い、出番は少なめだけど目を惹く登場人物の1人。CSOに忠実すぎて犬系男子感がすごい。

傑森(ジェイソン)/ 演:林敬倫(ショーン・リン)…29歳

【現実世界】天亮グループのCSO(戦略責任長)の特別アシスタント
鋭い目つきでテキパキと仕事をする。天行が意識を失った後、蘇珊娜のアシスタントとして任務をこなす。身体能力が優れている。

【感想】賀明莉側のジョージと対抗して、天行側にはジェイソンがいるという構図。ジョージと比較して比較的ワイルドでかつ面白おかしい一面がある。俳優の林敬倫はドラマ『悪との距離』で女性主人公の大学の先輩を演じた。

『ロマンスは恋愛中』に登場する台湾の恋愛小説の用語

このドラマでは、たびたび中国語で「言情小說」「霸道總裁」という用語が登場しますが、台湾の恋愛小説の背景を踏まえてご紹介したいと思います。

言情小說

  • 発音:ㄧㄢˊ ㄑㄧㄥˊ ㄒㄧㄠˇ ㄕㄨㄛ / yán qíng xiǎo shuō
  • 意味:「言情」は字面上の意味から見ると「情愛、感情などについて語る」という意味で、恋愛小説の意味。

    台湾や中華圏では、特にライトノベル系の恋愛小説のことを指して言う。表紙も男女が大きく描かれているデザインが多いイメージで、台湾だと本・漫画のレンタルショップ以外に、コンビニに置かれたりすることもある。

▼台湾の「言情小說」の表紙イメージ

Openbook閱讀誌「說愛之1》說不完的羅曼史:漫談本土言情小說二三事

霸道總裁

  • 発音:ㄅㄚˋ ㄉㄠˋ ㄗㄨㄥˇ ㄘㄞˊ / bà dào zǒng cái
  • 意味:「霸道」は横柄で尊大なこと。「總裁」は組織のトップで、企業のCEOのことを指す。なので、直訳すると「横柄なCEO」という意味になるが、実は台湾の恋愛小説(言情小說)市場にはこの「霸道總裁」というシリーズが90年代から人気を博し、有名なジャンルとして確立したのだ。

    具体的には、ドSで俺様主義だが、高身長高収入高顔面偏差値の3高男子であるCEOが、横柄すぎて女性を戸惑いさせつつドキドキさせる、というストーリー。

    古典文学でいうとジェイン・オースティン『高慢と偏見』のダーシー、日本でいうと『花より男子』の道明寺司、欧米の官能小説・映画でいうと『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』のクリスチャン・グレイのイメージ。

    もしくは曉恩が第1話で話したような『アイアンマン』のトニー・スターク『バットマン』のブルース・ウェインも、広義の定義では「霸道總裁」に分類できるだろう。

    上記の通り、小説や映画、ドラマでも、ドS系の男性なのに魅力的でかっこいい!という筋書きであれば、「霸道總裁」やん!と若者の間で突っ込んだりすることがあります。まさにこのドラマで曉恩と春天の会話のような感じです。

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