台湾ドラマを見て夫と中国語(台湾華語)を学ぶシリーズ、今回は『華麗なるスパイス』第8~11話から、面白いと思った台湾の中国語表現、単語、文化とあわせて、感想も紹介していきたい。
<以下、少しネタバレ含む!>
第8話「早起的鳥兒有蟲吃」
- 台湾華語(中国語)慣用語:早起的鳥兒有蟲吃
- 発音:ㄗㄠˇ ㄑㄧˇ ˙ㄉㄜ ㄋㄧㄠˇ ㄦ ㄧㄡˇ ㄔㄨㄥˊ ㄔ/zǎo qǐ de niǎor yǒu chóng chī
- 日本語訳:早起きは三文の徳
第7話でワイナリーパーティーに参加し、酔っぱらってしまった廷恩(ティンエン)と芬青(フェンチン)は、そのままティンエンのアパートへ行ってお泊りしてしまう。第8話で朝になり、起きたら二人ともびっくり、さらにはティンエンの母親が突然訪問してきたので、フェンチンは慌てて隠れる。
半裸で言動が怪しいティンエンと、部屋に残っているグラスの口紅の跡を見え、母親はてっきり如曦(ルーシー)とともに過ごしたと誤解し、満足そう。そこで「早起きは三文の徳」という。
これは「早起きして良いもの見れたわ」なのか、「朝早くから若い二人で仲良くすれば、良いこと起こるわよ」のどっちなのかはさておき、「早起的鳥兒有蟲吃」という諺は、早起きを促す時によく使う表現だ。「早起きした鳥は、(ライバルが少ないので)多くの虫を食べれる」という意味から、早起きすればメリットがあることを表す。
なお、私みたいに早起きが苦手な若者は、子供のころからこのフレーズを言われたら、「早起的蟲兒被鳥吃(早起きした虫は鳥に食べられやすい)じゃん!」と反論しがちだが、これもかなり有名なフレーズだ。
第9話「自拍」
- 台湾華語(中国語)単語:自拍
- 発音:ㄗˋ ㄆㄞ/zì pāi
- 日本語訳:自撮り
これは漢字を見たら意味が分かりそうだが、台湾にも自撮りという言葉がある。ご想像の通り、「自己」(自分で)+「拍照」(写真を撮る)=「自拍」(自撮り)という組み合わせだ。
第9話では悩み事を抱える芬青(フェンチン)に対して、廷恩(ティンエン)がわざと掃除や色んな手伝いを任せ、気を紛らわせようとする。新しいメニューを夜通し考える二人は、いつの間にかラ・ミュールの厨房で寝てしまい、また一夜を共にしてしまう。
出勤してきた孝彬(シャオビン)にバレてしまうと、シャオビンはティンエンの寝顔を撮ろう、記念写真を撮ろうとはしゃぎ、嫌がるフェンチンも入れて自撮りをする。この写真のように、インカメを使えば、一人でも複数名でも「自拍」になるのだ。
なお、台湾人は日本人と比べて、男女ともに自撮りが好きな人が多いと言われるが、2016年のニュースによると、5割以上の台湾人が2~3日に一回自撮りするらしい。ただ、自撮りしても全部SNSに載せているわけではないし、他にも自撮り好きな国がたくさんあるので、一概には言えないかもしれない。
第10話「恐怖片」
- 台湾華語(中国語)単語:恐怖片
- 発音:ㄎㄨㄥˇ ㄅㄨˋ ㄆㄧㄢˋ/kǒng bù piàn
- 日本語訳:ホラー映画
この単語は見た目からして怖そうだが、ホラー映画という意味。「恐怖」を感じる「影片」という語源だろう。ちなみに、幽霊・心霊に特化したホラー映画は「鬼片」ともいう。(中国語の「鬼」=「幽霊」)
芬青(フェンチン)と過ごす時間が増えるなか、廷恩(ティンエン)は彼女への思いに気付き始める。一方のフェンチンは、思いを寄せられていることを想像しただけでぞっとし、「悪夢を見ているようだ」と言う。孝彬(シャオビン)に「悪夢を見た?ホラー映画でも見たのか?」と言われるくらい、ティンエンと恋愛関係になるのを嫌がっているのを見ると、もはやドSの欠片もないティンエンが気の毒に思えてきた。
第11話「皮夾」
- 台湾華語(中国語)単語:皮夾
- 発音:ㄆㄧˊ ㄐㄧㄚˊ/pí jiá
- 日本語訳:(革製の)財布
第11話では「今後の伏線なのでは?」と唐突に知らない登場人物が出てきて、意味深なセリフを話すシーンがある。廷恩(ティンエン)がコンビニの前で財布を拾い、持ち主だと主張する女性の身元確認をしたうえで返すシーンだ。
私もてっきり重要な伏線かなと思っていたが、実は同時期に上映された台湾ドラマ『我的愛情不平凡』の登場人物がゲスト出演しているだけだった。ティンエンが身元確認で、女性の名前は「吳平安」なのか、「吳平凡」なのかを聞いているが、これはドラマ『我的愛情不平凡』の重要なポイントで、『華麗なるスパイス』とは全く関係ないのだ。
財布のことを「皮夾」と呼ぶが、皮がお札を挟むという意味で、革製の財布のことを指す。また、この画像のような長財布は「長皮夾」「長夾」、二つ折りの短いタイプは「短皮夾」「短夾」と言う。もちろん、普通に「錢包」(財布)と呼ぶことが多い。
なお、ドラマ『我的愛情不平凡』は日本語版がまだないようだが、台湾テレビ局三立の公式配信ページ(Vidol)から中国語字幕で視聴可能。有名財団の社長が車の事故で混迷中なので、妹を替え玉として海外から呼び戻すという内容で、なかなか面白そう。
いよいよ話がもうすぐ折り返し地点に入るが、廷恩(ティンエン)の生い立ちや、家族をなくした悲しみがより詳しく説明されることに。ただ、芬青(フェンチン)は恋愛感情を抱いていないようなので、このまま片思いになるのか・・・?続きはまた次回!
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