『R.I.P. 霊異街11号』霊視できる葬儀屋×監察医がタッグを組む台湾サスペンス【台湾の葬儀文化】

台湾ドラマ『R.I.P. 霊異街11号』(原題『靈異街11號』、英語タイトル”The Fearless“)が2023年6月からTverでも配信。初めてTverで放送された台湾ドラマ!(ちょうど今日、Tverで台湾ドラマ配信第2弾として『お仕事です!~The Arc of Life~』が配信されると気付き、とても楽しみです。)

霊視能力を持ち、死者のことが見え対話できる男性葬儀屋と、科学のみ信じ法医学の観点で被害者の死因を解明する女性監察医性格も価値観も真逆に見える二人がタッグを組み、色んな難事件を解決していくというお話。

犯罪サスペンス要素もありつつ、主人公二人をはじめとする面白い掛け合いや、親子愛や家族愛などの感動的な場面も多く、ホラーのような怖さは全く無かったです。途中から事件の真相が気になりすぎて、アマプラでも見れるようになったのでフライングしてアマプラで見ました。

特に台湾人目線でも、台湾の葬儀文化を改めて理解することができてよかったです。本記事では台湾人の観点で気になった葬儀文化のアイテムをご紹介します。

『R.I.P. 霊異街11号』のあらすじ

極道の闘争で怪我をし、九死に一生を得た阿海(アハイ)は霊視能力を身に付け、死者のことが見え、さらには会話もできるようになる。

家業である葬儀屋をしぶしぶ継ぐ阿海(アハイ)のもとに、次から次へと非業の死を遂げた幽霊たちが現れるが、彼は監察医の盛音(ション・イン)や鍾(ジョン)刑事と一緒に事件を解決していく。

▼予告

『R.I.P. 霊異街11号』の登場人物 / キャスト

※ネタバレがあるのでご注意ください!!!

高志海(ガオ・ジーハイ)/ 演:李國毅(レゴ・リー)

もともと極道だったが、起死回生して霊視能力を得る。家業の葬儀屋を継ぐ。

ドラマが進むにつれてどんどん(良い意味で)子供っぽく無邪気に感じてくる阿海(アハイ)。お父さんとは喧嘩したまま別れてしまって、一番会いたいのはお父さんのはずなのに素直になれない。最終的に会えて本音を伝えられて本当に良かった。ただ再会の時間が短すぎて泣ける(涙)

盛音(ション・イン)/ 演:簡嫚書(ジエン・マンシュー)

冷静で感情が感じられない監察医。

阿海(アハイ)の霊視能力を全く信じないし、性格も価値観も真逆だが、お互い不器用ながらも関係を築いていく。父親が不倫をして子供を見捨てたことを根に持っており、そんな自由奔放な父親を見て、冷静沈着な性格に育ったんだなと思う。かつ過去の先輩の事故も打撃を与えているはず。。

阿海(アハイ)とは一緒にご飯を食べるだけではなく、今後は映画を見に行ったり、引き続き「米粉湯」を食べてほしい(笑)

鍾(ジョン)刑事 / 演:喜翔(シーシャン)

阿海(アハイ)の父親の仕事仲間。幼少期から阿海(アハイ)を見てきた。

お父さんがいなくなった後、鍾(ジョン)刑事がこのドラマ内で父親代わりになって、重要なタイミングでアドバイスしているように感じた。阿海(アハイ)の霊視能力も最初に信じてくれたし、最後の折り鶴のところはすごく感動した。

朵朵(ドゥオドゥオ)/ 演:大文(ダーウェン)

阿海(アハイ)が継ぐ下生葬儀屋の助手。自分を育ててくれたおばあさんの幽霊に会いたがっている。

本作の一番のムードメーカーで、毎回朵朵(ドゥオドゥオ)の言動に爆笑してしまう。おばあさんがまさかのよく阿海(アハイ)と喋っているあの霊媒師だったとは!

『R.I.P. 霊異街11号』から知る台湾の葬儀文化

このドラマでは台湾の葬儀文化を描いており、台湾人の私もそこまで接する機会がなかったので勉強になりました。オープニング映像にも沢山葬儀文化のアイテムが登場しますが、個人的に印象に残ったものをまとめてみました。

▼オープニング

紙蓮花(往生蓮花)

ドラマ内で阿海(アハイ)や朵朵(ドゥオドゥオ)がよく折っていた「紙の蓮の花」、台湾では「往生蓮花」と呼びます(往生=中国語でお亡くなりになると言う意味)。

観音菩薩が蓮華座に座っていることから、台湾では親族が亡くなった際は、無事西方極楽浄土にたどり着くようにという願いを込めて、蓮の花を紙で折る風習があります。数量は仏教の観点から108個が良いとのことです。

童男童女(金童玉女)

オープニング映像や、ドラマ内で時々見かける男女の子供の人形、こちらは「童男童女」といい、台湾では葬儀の時に用意する風習があります。

中国商朝の陪葬文化が由来との説があります。亡くなった方があの世でも健やかに暮らせるよう、しっかり付き添いをつけるということです。

なお、民間では「金童玉女」と敬意を込めて呼ぶこともありますが、「金童玉女」は正確には観音菩薩などに仕える存在なので少し違います。私も今回調べて初めて知りました。

靈異街11號 | 八大電視」より

紙紮

台湾映画『僕と幽霊が家族になった件』でも紹介しましたが、台湾ではなくなった方があの世でも生活に困らないよう、紙で作ったあの世用のお金(紙錢)だけでなく、住む家や車、日用品などを用意して燃やし、お供えする風習があります。

先述した「童男童女」という人形や、時々ペットとして犬の人形を用意することも見かけますが、こちらも広い意味での紙紮になるんでしょうか。

ドラマ第7話では、時代に合わせて「高級時計」「一眼レフ」「iPhone」などの紙紮も用意しようという話がありましたが、実はドラマ内の架空の話ではなく、実際にスマートフォンやカメラなどの電化製品、時計やバッグなどのブランド品、デパコスなどの化粧品、他にもお酒やソフトドリンクなどの紙紮がオンラインで販売されているのを見ました。

以下、台湾の紙紮専門店「金盛香金香蠟燭紙紮大批發」の公式Facebookを見ていると、こんなに色んな種類のものを作っているんだと驚きます。民間風習も時代とともに進化するのですね。

※ヘッダー画像は「靈異街11號 | 八大電視」より


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