『結婚してる…それでも!』優男(媽寶男)との結婚、義実家との同居を描く台湾ドラマ【登場人物、キャスト】

台湾ドラマ『結婚してる…それでも!』(原題『童話故事下集』、英語タイトル“I Am Married…But!”)は、夫婦として結ばれ末永く幸せに……かと思いきや、義実家との同居、優柔不断な夫など、多くの難題に立ち向かうリアルな結婚生活を描く。2025年2月14日バレンタインデーからNetflixでグローバル配信開始。

柯佳嬿(アリス・クー)と劉以豪 (リウ・イーハオ)が結婚四年目の夫婦を演じ、柯淑勤(コー・シューチン / サマンサ・コー)がちょっと過保護気味な義母役を演じる。特に劉以豪 (リウ・イーハオ)が演じる夫はいわゆる「媽寶男」(マザコン男)で、ドラマの前半は非常にイライラさせられた(笑)。

邦題は英語タイトルから直訳しているので何だ?という感じがするが、台湾の原題『童話故事下集』は「おとぎ話の下巻」という意味で、白雪姫やシンデレラのように「王子様とお姫様が結ばれ、その後幸せな日々を過ごすことになりました。めでたしめでたし~」の続きの話、すなわちロマンチックな恋愛の末、現実やトラブルに直面する結婚生活を描いているということだ。

『結婚してる…それでも!』のあらすじ

運命の出会いから結ばれ、晴れて夫婦となった林宜玲(リン・イーリン)と曾學友(ゾン・シュエヨウ)。しかし、結婚生活四年目を迎え、義両親との同居や金銭問題、家庭計画など、二人の結婚生活に様々な難題が降りかかる……。

▼予告動画

『結婚してる…それでも!』の登場人物 / キャスト

林宜玲(リン・イーリン)/ 演:柯佳嬿(アリス・クー)

CM編集者として働く女性。もともと結婚には憧れていなかったが、曾學友(ゾン・シュエヨウ)と運命の出会いを果たして結婚することに。しかし、過干渉気味の義母との同居、優柔不断な夫でフラストレーションがたまっていく。

曾學友(ゾン・シュエヨウ)/ 演:劉以豪 (リウ・イーハオ)

ハードウェアエンジニアとして働く男性。優しく優柔不断で、宜玲(リン・イーリン)と結婚してからも、自分の母に対しては素直に意見を言い出せない。口癖は「今度お母さんに話すよ」「お母さんに聞いてみる」。

吳春梅 / 演:柯淑勤(コー・シューチン / サマンサ・コー)

曾學友(ゾン・シュエヨウ)の母。かつて社会科の先生として働いていた。息子夫婦と同居し、若者の意見を尊重する姑として振る舞おうとするものの、伝統的な価値観に抗えない時も多い。​ ​ ​ ​

劉文傑 / 演:曾敬驊(ツェン・ジンホア)

近所の薬局にいる優しい薬剤師。イケメンな風貌かつ親切な態度で地方の女性たちからの支持も厚い。映画や文学が好きで、宜玲(イーリン)とも話が合い、慰めてくれたりする。

張人偉(ポール・チャン)/ 演:傅孟柏(フー・モンボー)

CMディレクター、宜玲(イーリン)の同僚。実は二人は同じ大学で交際したことがあり、一か月で別れているが、今も友人として良好な(かつ口喧嘩が絶えない)関係を築いている。

陳思鹿(ルー)/ 演:姚愛寗(ヤオ・アイニン)

學友(シュエヨウ)の会社に新しく入社した後輩。5歳の息子を育てるシングルマザー。健気な姿に學友(シュエヨウ)も同僚として親切にしてあげているが、彼女の気持ちがざわざわすることに……?​

李娜(ナナ)/ 演:謝依霖(シェ・イーリン)

宜玲(イーリン)の同僚。12星座それぞれの男性と付き合ったことがあり、恋愛の過程を楽しむが結婚はしたくない主義。「完璧な男性なんていない、女性が育ててあげるものだ」と主張する。

『結婚してる…それでも!』から見る「媽寶男」

※以下ネタバレを含みますのでご留意ください

劉以豪 (リウ・イーハオ)が演じる温厚で優柔不断な夫・曾學友(ゾン・シュエヨウ)は、台湾のネットで近年よくみかける「媽寶男」(mā bǎo nán / ㄇㄚ ㄅㄠˇ ㄋㄢˊ)、いわゆる「マザコン男」。

ただ、台湾でいう「媽寶男」は、「ママ大好き♡」というマザコン男というよりも、お母さんにあまり逆らえず、かつ自分でもあまり自立できず、お母さんに保護されたり、干渉されたりすることをそこまで苦にしない人かなと感じている。

昔見た台湾映画『ママボーイ』では、そのような「媽寶男」が初恋に落ちるという話があった(詳しくは「『ママボーイ』過保護されたマザコン男子の初恋を描く台湾映画【あらすじ、感想】」参照)。今回のドラマは、「媽寶男」が恋愛と結婚をして、その後の結婚生活でどう母と妻の間で立ち回るのか、という話だ。

そもそも「媽寶男」の定義は?台湾の経済紙『今周刊』では以下の通り「媽寶男の九つの特徴」が記されている。

  1. ストレス耐性が低い
  2. 自分で物事を決められない
  3. 人とのコミュニケーションが苦手
  4. 母親と一緒に住みたがる
  5. 世間の苦しみが分からない
  6. 色好み(欲求不満)
  7. 生活音痴
  8. 独立できていない
  9. 口癖が「お母さんは~、お母さんによると~(媽媽說)」

※参考:媽寶男的九種特色 – 今周刊

上記特徴と照らし合わせると、曾學友(ゾン・シュエヨウ)は2、3、4、7、8、9あたりが当てはまるだろう。親との同居を続けるのか、夫婦二人だけで家を買って住むのか、何度コミュニケーションしても自分の意見が分からないし、母や妻ばかりに家事を任せて、自分はあまり家事をしない。妻から何度言われても「今度お母さんに話すから」と言って、結局話さないことが多い。ただ、妻に一途で誠実で浮気しないのが良いところ。

こんなに母に頼る夫が世の中にいるのか、こんなに干渉する親がいるのか気になるところだが、監督・脚本を務めた李念修(リ・ニェンシウ)によると、ドラマに登場した「媽寶男」のエピソードはすべてフィールドワークを経て調査した実際の出来事を描いているというから驚いた。

『結婚してる…それでも!』の感想

※以下ネタバレを含みますのでご留意ください

全12エピソード、1話30分なので三日間で完走。前半は義実家との同居問題、義理の母からの過保護と干渉、子作りのプレッシャー、金銭問題などが勃発し、不器用な曾學友(ゾン・シュエヨウ)の煮え切らない態度にイライラが止まらない林宜玲(リン・イーリン)。私も宜玲(イーリン)の気持ちがよく分かる。

一方、後半になると曾學友(ゾン・シュエヨウ)が彼なりに歩み寄ろうと頑張っていることが分かり、子供を作ろうとする決心、不妊治療、男性不妊を経て、宜玲(イーリン)は學友(シュエヨウ)とコミュニケーションを強化し、義理の母とも相互理解を経て、新たな門出を迎えられるような結末だった。

「媽寶男」と言われている曾學友(ゾン・シュエヨウ)は、妻にも母にも誰にも優しい分、誰にも強く自分の意見をいえず、結果自分の妻をあまり守れていなかった。ただ、根は優しいのと、彼は宜玲(イーリン)のことを一番愛していて、彼女の本当の気持ちを知りたいことで、最後はしっかり関係修復できたのだろう。

一緒に同じ方向を向いて、途中はぐれてもお互いを探して走り続けるのが夫婦として重要なのだということを、最後に雨の中で自転車に乗り、途中分岐してしまってもY字路で再び合流するシーンで感じた。

もし続きがあるなら、曾學友(ゾン・シュエヨウ)にはしっかり家事をやってもらう能力をつけて、誰にも優しくして誤解させるようなことは辞めて、もっとはっきり自分の意見を言えるようになってほしいけど……(笑)

※ヘッダー画像は公式Facebook「童話故事下集」より


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